

<受賞作品>
【 第一回全日本学生水中フォト&ビデオコンテスト授賞式 】

2025年11月13日
第一回全日本学生水中フォト&ビデオコンテスト授賞式を2025年11月13日に開催いたしました。
記念すべき第一回は 159人の学生が参加し、総応募数は 548作品(一般部門:164作品、コンデジ部門:344作品、ビデオ部門:40作品)にのぼりました。応募してくださった皆様、誠にありがとうございます
その中から入賞作品10作品(グランプリ1作品、各部門1∼3位)が選ばれました。
また、応募された作品のレベルが素晴らしく、入賞のみにしてしまうのは勿体無いということから、入選作品12作品(各部門4作品)を選ばせていただきました。
本ページではそちらの入賞作品10作品・入選作品12作品をご紹介いたします。
各作品に作品名・撮影者・撮影場所・撮影機材・撮影者のコメント・審査員のコメントが記載されているので、ぜひご覧ください。
グランプリ


青山 太河
「白銀の弧蝶、舞う。」
Nikon D7200 モルディブ5M
撮影者・審査員のコメント 【 撮影者 】 ナイトダイビングで群れのマンタを追っていた際、まだ幼い子供のマンタに出会いました。周囲の大人のマンタが優雅に旋回しながら捕食していく中、その子だけは上手く回転できず、ずっと水底近くに留まっていました。撮影を続けるうちに大人たちは次々と去っていき、最後に残ったその子が、ついに勇気を振り絞るように回転し捕食行動を始めました。初めての旋回を目の当たりにした瞬間です。 【 茂野氏 】 全ての作品を見ていく中で1番印象的で記憶に残った作品でした。ナイトダイビングでプランクトンを捕食するマンタの写真で、夜の暗い海に浮かび上がるマンタと水面に反射する光の配置が絶妙で、マンタの力強さだけでなく、海の神秘さや静寂さを感じられました。単なる美しい写真ではなく、構図によって夜の海の静けさとマンタの力強さが相反する魅力が1枚の中に込められています。 ナイトでのマンタの捕食の撮影は時間が経つに連れ、マンタが回転することで浮遊物が舞いはじめ、撮影自体が難しくなることがあります。作品としての完成度はもちろん、砂の舞う水底を避けて水面付近の浅いところで撮影をしていること、浮遊物を写し込まないライティング、作者の撮影技術も感じられます。 第1回学生フォトコンに相応しい素晴らしい作品でした 【 峯水氏】 数多くの作品の中でも、ひと目で強く印象に残ったのが、この夜の海を舞うマンタを捉えた幻想的な一枚でした。仕上がりを明確にイメージしながら、マンタが翻って腹面を見せた瞬間を狙ってシャッターを切ったのだろうと想像します。水面の光の映り込みと対照的に配置されたマンタの姿が美しく、構成の完成度も非常に高いと感じました。作者のコメントによると、この個体はまだ幼いマンタで、他の大きな個体が去ったあとも、ひとりでプランクトンをうまく捕食できるようになるまで辛抱強く待ち続け、その瞬間を捉えたとのこと。そのエピソードを知ると、作品全体に込められた優しさと深い思いが一層伝わってきます。まさに、作者と被写体との心が通じ合った瞬間を感じさせる素晴らしい作品です。
一般部門
第1位

加野 奏大
「祈り」
Nikon Z6・AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED・SEA&SEA YS-D3 Mk2 沖縄県 久米島 ミーフガー 5m
撮影者・審査員のコメント 【 撮影者 】 モンツキカエルウオのハッチアウトの場面です。青く光っているのは稚魚の頭です。その輝きを活かすために、絞りを絞りすぎず幻想的な雰囲気を演出しました。巣穴から子どもたちの門出を見守る父親のモンツキカエルウオは、優しくもどこか切ない表情を浮かべています。ファインダーを覗きながら、私自身も父親と同じように、無事に旅立てるよう祈りを捧げた瞬間でした。 【 峯水氏 】 モンツキカエルウオのオスが長い間守り続けてきた卵から、ようやく子どもたちが孵化し、夜の暗い海へと旅立っていく瞬間を、親の目線を交えながら見事に捉えた作品ですね。少し引いた画角で周囲の環境を取り入れることで、感動的な一瞬に物語性と世界観を与え、そこから未来への希望を感じさせてくれます。小さな命の力強さと、生命の営みの尊さを改めて実感させてくれる素晴らしい作品でした。
第2位
第3位


SONY α7Ⅲ F3、5 28-70 s-2000
フィリピン アニラオ ビーチ 6m
CANON R5 RF100mm macro inonZ330
佐賀県 唐津 ビーチ 5m
小松 大祐
「月光に照らされるミカド」
田代 大翔
「夜更けの旅立ち」
撮影者・審査員のコメント 【 撮影者 】 アニラオのナイトダイブのミカドチョウチョウウオです。インストラクターの水中ライトが満月のように見え、被写体と被らないように撮影しました。またストロボによって本当の月に照らせれているように上からストロボの光を照射し、周りの珊瑚礁などが見えるようになっていると思います。 【 茂野氏 】 作者の対面にいるガイドの水中ライトを月に見立てて、月光に照らされるように見事に演出されたミカドチョウチョウウオの作品。あえて引いて余白を残すこと、サンゴを上から優しく照らし、奥にかけてグラデーションを作ることで、広い夜空の下で丘の上に立っているような物語を感じさせてくれる、発想も技術も非常に高い作品です。 ガイドのライトが一瞬こちらを向いた瞬間に感じた魅力を作品に仕上げる瞬発力には脱帽です。
撮影者・審査員のコメント 【 撮影者 】 真夜中のダイビング通い始めて6日目この瞬間を待ってました。海藻に巻きついて出産すると思っていたが海中を漂いながらの出産。中性浮力をとりながら、タツのお腹から出てくる神秘的な赤ちゃんの出てくる様子が分かるよ うに撮影した。 【 峯水氏 】 タツノオトシゴ(オス)の出産シーンを見事に捉えた作品です。作者はこの瞬間を撮るために、真夜中の海へ6日間も通い続けたとのこと。粘り強さと情熱が作品から伝わってきます。浮きながらピントを合わせ続ける撮影は非常に難易度が高かったと想像されますが、見事な集中力で力強い瞬間を切り取っています。あえて欲を言えば、2匹の子供がもう少し右に位置する角度から狙えていれば、子供の存在が更に際立ったと思います。
コンデジ部門
第1位

TG7・リングライトDL2001
新潟県 佐渡島 虫崎 15m
河本 凜
「かみさまたちのおしゃべりごっこ」
撮影者・審査員のコメント 【 撮影者 】 神様・布袋様に似た愛らしいホテイウオの赤ちゃん(別名:ごっこ)。小さな命のやりとりを鮮明に伝えるため、目線が合う角度で大きく切り取りました。感じた可愛さや優しさを多くの方と共有できればと思います。赤ちゃんらしい柔らかさを表現するため、露出を+0.7evと明るめに、リングライトの光量を上げ背景をふんわり仕上げています。タイトルは赤ちゃんらしさを込め、ひらがなで表記しました。 【 茂野氏 】 2匹のホテイウオの幼魚にピントを合わせて2匹が秘密のお話しでもしているような可愛らしく仕上げた作品でした。この作品は1度全体のグランプリにしても良いんじゃないかと話し合うほど素晴らしく、写真はもちろんタイトルをあえて平仮名にしたり、おしゃべりごっこと地方名を入れるなど随所に作者のセンス、そして本当に生き物が海が好きなんだなと伝わってきました。
第2位

大西 美沙希
「消えゆく彩、潜む影」
TG6 宮古島 フナクスビーチ 1m
撮影者・審査員のコメント 【 撮影者 】 白化しつつあるサンゴ礁を撮影した写真です。水色に透き通る海に光が差し込む中、白いサンゴが映え、一見美しい海中の景色を作り出しています。しかし、その背後にあるのは海温上昇や自然の危機といった現実です。光と影が織りなす幻想的な空間の中で、海の美しさと、そこに潜む現実の両方を感じてもらえたらと思います。 【 峯水氏 】 西日が差し込む時間帯でしょうか。柔らかな光が降り注ぎ、一見すると色鮮やかで美しい枝サンゴがびっしりと生い茂っています。よく見ると、その隙間にはサンゴを棲家にするさまざまな魚たちがいて、穏やかな海の営みが感じられます。しかし、この美しいサンゴは白化寸前。まさに「サンゴの瀬戸際」を捉えた印象的な作品です。撮影時はまだ生きていたと思いますが、その後の様子を思わず案じてしまう。そんな余韻を残す作品です。
第3位

TG6 RGBLUEsystem01 伊豆大島 王の浜 12m
錦戸 海地郎
「海の花」
撮影者・審査員のコメント 【 撮影者 】 ライトを当てると非常に美しく輝くクジャクケヤリを撮影しました。 【 茂野氏 】 非常に完成度の高い作品で、コンデジ(TG)で撮影された作品だとは思えない1枚でした。クジャクケヤリの魅力を最大限に活かすために恐らくスヌートライトを使い余計な背景を削ぎ落として、ケヤリを強調し、さらにケヤリの美しい繊細な色のグラデーションと形を捉えています。ケヤリの撮影は一見簡単に見えるのですが、その繊細さを表現することは難しく、この作品はその中の1つの答えと言っても良い手法、美しさだと思います。
